2010年 ヨーロッパの旅 前編

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    JUGEMテーマ:ヨーロッパ

     《エイヤフィヤトラヨークトル》なんだか舌をかみそうで何回聞いても覚えられないこの名前なんだかお分かりですか? そう、今年の春突然目覚めたヨーロッパ・アイスランドの火山なのです。ヨーロッパはもちろんのこと世界中の人や物の流れをストップさせ大混乱に陥らせました。

     たかが火山じゃないかとお思いの方、これがちょっと始末が悪い。高温のマグマが氷河と激しく反応しあって【火山ガラス】となり、きめの細かい物質となって高層に吹き上げられます。これが飛行機の機体に付着したり、計器やエンジンの中に入り込んで最悪の場合墜落もありうるというのですからヨーロッパの航空会社はまさにパニック状態だったのです。

     就航見合わせの報道がテレビで毎日報道され、各国の飛行場には旅を足止めされた【難民】の方々の姿が目に飛び込んできます。

     不安を残しながら飛行解禁となったのは出発の2〜3日前のことでした。




    ヨーロッパ最深の湖  コモ湖


     ドライブ初日、今回はちょっとした誤算がありました。といってもほとんど《うれしい誤算》といったほうがいいかもしれません。

     レンタカー会社のカウンターで先方から次のような提案がなされました。実は私たちミラノで借りた車をドイツのフランクフルトで乗り捨てる計画だったのですが、このちょっと前にフランクフルトからミラノに乗り捨てられていた車があったらしく、その車をドイツまで運んでくれるなら【乗り捨て料金】を半額にしてくれるという話しでした。5万円近くかかるその料金ですから半額は大きい、2つ返事で了承しました。そのほかにもヨーロッパでは珍しいオートマティック【別料金】、ナビゲーションシステム【別料金・・言語がイタリア語にセットされていてほとんどちんぷんかんぷん】がついていて、それも含めてというこてでしたので好条件でした。

     おかげでちょっと車長が短くなった分荷物はこのようになりました。ちなみに、車は《メルセデスベンツ》です。

     レンタル期間  4月24日〜5月8日  15日間

     レンタル料金  1338・96ユーロ《160675円》€120として

         含む  セカンドドライバー分【2名】
             フルカバー保険
             税金
             乗り捨て料金 


     

     水深410メートルとヨーロッパ最深を誇る湖だけあって深い緑がかったその水面は一種の神秘性をも感じ取れます。一方、深いということはその分周囲の沿岸は急角度で、湖を一周する周回道路は車2台がやっと交差できるほどの狭い道、もちろん歩道などは無く大型の車との交差となると冷や汗ものです。時々出くわす歩行者は両脇の壁に張り付いて身を守っているのですから・・・・。




    《イタリア芸術週間》

     またも聴きなれない言葉で恐縮です。コモ湖から南下してバイオリンの町Cremona【クレモナ】へ、かの有名な名器ストラディバリウスに逢うため中世面影を色濃く残す旧市街へ足を踏み入れます。

     16世紀に始まったバイオリン作りは、現在町中に88箇所の工房が軒を並べ、その中心に位置するコムーネ宮にはストラディバリウスをはじめ、アマティ、グァルネリなど弦楽器に興味をお持ちの方が見たら感動の涙の流す【ちょっと大げさかな】ほどの逸品でした。ただ、どうしたことか本日入場料無料だったのです。実はこの無料こそが一つの手がかりでした。

     この日はフィレンツェの宿泊となります。


     翌日、あの長蛇の列ができることで有名なウフィツィ美術館へ、心の準備をしてタクシーで乗り付けるとどうしたことか行列は20名ほど、何か肩透かしを食らったようね気分でした。

     実は、私の友人がこの行列を避けるために日本から手配した入場券は7000円近くかかったそうです。すぐに入場の時間が来てチケットを買おうとすると係員が本日無料とあの言葉を告げるのでした。《ラッキー》と叫びながら心の中では何か変だなという思が高まってきた。



     街中をぶらぶらしていると路上に直接このような絵を描いているところに出くわした。チィップの額の相談をしていると、いきなり彼が振り向き日本語で話しかけてきた。路面に向かって絵筆を握っている時には解らなかったのだが、彼は関西の出身でもうここに来て6〜7年経つとのこと。色々話を聞いているうちに、今まで疑問に思って来たことのほんとの答えがわかった。イタリアには《芸術週間》と呼ばれるものがあり、この期間中は国内の美術館などが全て無料になるのです、参考になさって下さい。

     ちなみに、昨年度は4月18日から26日までの9日間でした。

     【在日イタリア大使館】等から情報を得られたらいかがでしょうか




    岸壁にへばりつく世界遺産の村々

     チンクェッテッレ《5つの土地》


     地図の上では道路からそんなに離れて無いのに車でのアプローチは難しいというこの村々、紺碧の海にそそり立つ岩肌にへばりつく家々を望むと、綺麗だとかかわいいとか言う前にどうしてこんな条件の悪いところを選んで住んでいるんだろうという素朴な疑問がわいてくる。

     調べてみると、これらの村々は11世紀に要塞都市として生まれたのだそうだ,あの海洋都市国家《ジェノバ》のいわば出城、村自体が砦なのだ。隣村との陸路も無く船だけで行き来【現在は鉄道が通っている】、急斜面の固い岩盤を砕いて造ったわずかの土地でぶどうを栽培し、シャケトラという珍しいワインを生産する。しかし、このワイン細いビンで一本35€【4200円】とたいそう高価、あきらめ切れない私達は近くのバールで一杯7€のグラスワインを回し飲みして味見をしました。【ちょっとわびしい】


     観光客で一杯の地元のレストランへ、注文したのはペスカトーレ【海鮮パスタ】、スカンピ【手長えび】のトマト味パスタの2品。

     結構量が多いのでこれで4人分でもちょうどいい、味はうちのお店も引けは取らないがこの具の多さにだけはほんとに脱帽。




     ここは五つの村々へのフェリー出発港のポルトヴェーネレ、観光客や釣り人、物売りの黒人男性たちでにぎやか。チヌみたいな魚を5〜6匹釣り上げている人もいました。

     ところでこの写真の建物の色がカラフルなわけをご存知ですか? ある説によると、海に出た漁師たちがすぐに自分の家がわかるようにと色を違えているとか・・
     うーん、納得!!




    フランスの小さな村々

     日本で見つけたある一冊の本のおかげで今回の旅が非常に価値のあるものとなりました。その本をご紹介します【何にも頂いておりませんが】

     『「
    フランスの美しい村」全踏破の旅 吉村 和敏  講談社

     内容はガイドブックというよりか【写真集】に近い、ただ短いコメントと手書きの地図が載っていて小さな村めぐりにはたいそう重宝。毎回現地で大きな縮尺の地図を手に入れるのだが、それにもこれらの村々は載っていないことがあったから。

     「フランスの美しい村」協会が厳選した150ほどの村の中から筆者が4年半の年月をかけてピックアップした中々いい本だと思う。




    コート・ダジュール

     世界のセレブが集まる高級リゾート地 【南仏】

     モナコ・ニースなど世界中のセレブが集まることで有名なこの地方、何となく《セレブ》とは距離感のある私達は海岸線のこれらの町を素通りして北上すること約1時間で鷹巣村の一つである山上のVence【ヴァンス】の町へ。

     南仏の太陽がいっぱいのこの地方は、多くの芸術家たちの夢あとを残している。ヴァンスの町でもロザリヲ礼拝堂を造ったマティスをはじめ大聖堂のモザイクにはシャガールの息使いが聞こえてくるようだ。



     やっと見つけたB&B【ベッドアンドブレックファースト】、ここら辺りの宿はプール付きが当たり前だ。旅行前に心臓病の持病があるといわれていた70才台のA氏が、冷たい水に思い切り飛び込むのを見てちょっと複雑な気分・・・そのうえ、彼ら男2人に割り当てられた部屋を見てびっくり仰天、ピンクや赤を基調にした天蓋付きのダブルベッド、乙女ティックというかラブホティックというか写真に収めるのを忘れたのがこの旅唯一の後悔だった。

     




    ヨーロッパ 運転事情

     今回、男性2名の同行者があり、当然運転という話になります。

     ご存知のように日本とは逆の右側通行左ハンドルウィンカとワイパーが反対です。今でこそぼちぼち観られるようになりましたがオートマチックとナビはわずかでその上別料金となります。高速走行が大半ですからミッションも6段ギヤを多く見かけます。それに交差点はほとんどロータリー形式になっているところが大きな違いでしょうか。

     日本で左ハンドルになじんでいるからといって油断は禁物です。特にロータリーのない場所で左折しようとする場合は厳重な注意が必要です。10年ほど前に初めてイタリアのピサで車を借りたときは、まず、バスに乗りすぐ運転手の真後ろに陣取ってその感覚を訓練したものでした。それでも全くの冷や汗ものでした。

     

     さて今回、2名の男性の運転指導をして気づいた事がありました。おのおの多少の癖はあるのですが、高速運転の頻度が高いという観点からは、免許試験のとき教わるあの《10時10分》のハンドルポジションがトラブルを招く原因の一つではないかと考えます。

     日本での通常走行ではそのポジションが有効に機能すると思われますが、高速では脇が甘くなることで安定走行を阻害する〔ブラツキ〕が頻繁に起こることになるのです。120キロを超えるスピードで大型トラックを抜こうとすると周りには目に見えない空気の渦が巻いていて怖い思いをすることとなります。

     ですから、私の10回を越えるヨーロッパの運転の経験からは《10時10分》をお勧めします。そこを基本ポジションとしながら右に動いてゆくときは右手を、そして左に動いてゆくときは左手を少しあげて持つことにより、ちょっと斜め握りにはなりますが走行の安定性は抜群です。

     《あんたの運転はうまい》めったに人をほめることが無い妻の重い重い言葉でした。


     ヨーロッパで古い村や名所を訪ねようとすると、その歴史的な成り立ちから必然的に道路事情は余り良くありません。紀元前から幾多の戦乱を経て残っているような町ですから、その大半は小高い山の上の曲がりくねった狭い道を上り詰めたところにあり、軍事的に《守りやすく攻めにくい》場所なのです。高い建物に登ると360度近い視界があるところがほとんどです、それくらい4方8方に目を光らせて守りを固めてきたのでしょう。おそらく、そんな事情からでしょうかヨーロッパの車はコンパクトでマニュアル車が多いのではと思われます。

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